toki・時間を見る

WHY TOKI

tokiを作った理由。自分の時間を、自分の感覚で。

人それぞれが、自分の時間を感じ取れるシンプルな道具にしたい。tokiの出発点は、この思いです。何かを達成するための時計だけでなく、いったん立ち止まって眺められる時計を目指しています。

最終更新:2026年9月8日

数字を見せたいのではなく、その先にある時間を感じてほしい

年齢を尋ねられたときには、ふつう「何歳」と答えます。それで十分な場面は多くあります。それでも、同じ期間を日や週に置き換えると、いつもの年齢とは違う角度から自分の時間を眺められます。

たとえば、引っ越してからの一年。年数なら「一年」ですが、その間には荷ほどきをした日、初めて近所を歩いた日、何度も帰ってきた夜があります。tokiが表示するのは日数であって、その中身ではありません。数字を見た人が自分の出来事を思い出せる、そんな余地を残したいと考えています。

だから、数字を見て「長かった」と思っても、「あっという間だった」と思ってもかまいません。特に何も感じない日があってもよい。時間の受け取り方まで、画面の側から決めたくはありません。

「これまで」「今年」「節目まで」の三つにした理由

生まれてからの時間は、今日までの長い積み重ねです。今年の現在地は、季節を一周するくらいの近さです。そして節目までの時間は、自分で選んだ一日に向かう時間です。同じ「今」でも、どこを起点にするか、どこを見つめるかで表示が変わります。

一つの大きなカウントダウンだけでは、いつも未来の締め切りを見ているようになってしまいます。反対に、経過時間だけでは、楽しみに待っている日が見えません。過去・今いる一年・自分で選ぶ未来を切り替えられる形にしたのは、そのどれか一つに時間の意味を限定しないためです。

  • これまで:数字を眺めながら、今日までの出来事を一つ思い出す。
  • 今年:予定の進捗ではなく、季節のどこにいるかを確かめる。
  • 節目まで:誰かが決めた目標だけでなく、自分が待ちたい日を選ぶ。

便利な機能と、静かな画面の間で

制作の途中では、記念日を探す機能や読みものへの案内を主画面に増やしました。できることは増えましたが、時間を見る前に目に入るものも増えました。そこで、主画面は三つの時間表示を中心に戻し、詳しい説明や共有の操作は、必要なときに開く形へ整理しました。

これは、機能が少ないほどよいという意味ではありません。記念日を探す入口は生年月日の近くに置き、タイムラインは最初から開いています。使いたいものを見つけられることと、すべてを同じ強さで見せないこと。その両方を大切にしています。

使い方がわからないほど説明を削るのでもなく、時計の周りを説明で埋めるのでもない。その加減を、実際に使っていただいた声から見直していきます。

節目は、自分で意味を置ける日

年齢の区切り以外にも、出会った日、家族になった日、何かを始めた日があります。1,000日という数字そのものに特別な力があるわけではありません。そこに自分が何を重ねるかで、ただの日付がお祝いの日や振り返る日になります。

誰かに説明できる立派な記念日でなくてもかまいません。「次にあの人と会う日」「もう一度あの場所を歩く日」のような、小さな予定でも十分です。時間を数える理由を、自分の手元に置いておけることを大切にしています。

節目を見つけたあとの振り返り →

時計を閉じたあとに、何が残るか

tokiを使い続けること自体を目標にはしていません。毎日開く必要もありません。見終わったあとに「今日は少しゆっくり食事をしよう」「あの人に近況を伝えてみよう」と一つ思いつけば、この時計には役目があったと思います。

表示される年齢や統計は、人生の成績表ではありません。平均寿命も個人の残り時間を予測するものではありません。数字の根拠を知りたいときには計算方法へ、数字から少し離れて考えたいときには読みものへ。自分に必要な距離で使ってもらえる場所に育てていきます。

数字の意味と計算方法 →